消化試合肝臓エコーからの胆石疑い
ガンマGTPが悪かった血液検査の結果から
受けることになった
肝臓エコーは、完全に「消化試合」
という雰囲気で始まった。
内科医師が尋ねる。
「あーた、アルコールは?」
「一滴も飲みません~」
「あーそう、じゃあ大丈夫よ。
肝臓は、ほぼほぼアルコールが原因だから!
ふおっふおっふおっ」
よいしょー、という掛け声とともに
エコーに使うローション容器を
一振りした医師は
どっこいしょ~、とスーパーのスキャナー
のようなエコー器具をぐいぐいと
私の腹に押し付けるのだった。
弛緩した診察室の空気は、しかし
医師の一声で一変した。
「あ。石があるぞ」
「石!胆石ですか!?」
「うーん、そうね……。」
医師は少し言いにくそうにしていたが、
そう聞いた瞬間、私は力強くこう言っていた。
「やっぱりーーーー!
ずっと痛かったんですよーーー!」
痛みがあるのに原因がわからない
ことほどイラつくことはない。
私は右腹部分の原因の分からない
痛みに、この10年ほどイラついていたので
ようやく原因が発覚したことで
「してやったり!」と
いうか、
ある種、ほっとしたのだった。
「『総胆管結石疑い』ということでね。
CTを受けたほうがいいよ。
紹介状、書きますからね~」
エコー開始時に比べると
医師が少し気の毒そうに
私を見るのが不思議だった。
それほど、すがすがしい気分だったが、
あまり感慨にもひたっていれなかった。
CTスキャンを受けに
別の機関に行かねばならず、
しかも本日、これから行ってくれという
ことだった。
その時点で初めて驚いた。
「あれ?胆石って、
『なるはや』で
CTスキャン受けなきゃいけない
もんなのかしら?」
CTは朝食抜きにする必要があるという。
エコーのために
朝食抜きにしていたので
丁度いいから、
という程度のことなのかもしれない。
「ハラ、減った……」
思いながら、
電車に乗って
CTスキャン装置のある
病院へ向かった。