鬱だけど『クロスアンドクライム』を読んで感動した件
すべては一本のブログから始まった。
http://kutano.exblog.jp/25017011/
アクター木田氏の『アクター団地』というブログの「おどろき漫画」というエントリです。そこから、少し長いですがとても良い文なので引用させていただきます。
「クロスアンドクライム」という漫画が客のブースに放置されていて、何気なく読んでみると心を大きく掴まれた。クロスアンドクライムのあらすじをざっくり説明すると「超有名なバンドのボーカルが実はゲイで、高校時代の先輩のことがすごく好きでメジャーになった今もその先輩に自分のことを覚えておいてもらいたいというモチベーションで活動していて、その先輩は今は新聞記者になっていて取材を通して久々に再開。しかしそこにそのバンドのファンだという先輩の彼女もついてきてめちゃくちゃ嫌な気持ちになったボーカルのゲイが嫉妬と辛さで爆発して様々な行動を起こす」
(中略)
読んでいくとその先輩の彼女とSEXしすぎてその先輩のことよりその先輩の彼女を好きになってしまったらしい。ふざけんなよ気持ちの移り変わりが早すぎるだろ。葛藤とか、もうちょっと、せめて、ないのかよと思っていると6巻でとうとうそのゲイのボーカルが先輩の彼女に野外でクンニして「(美味しい・・)」と言っていたので読むのを辞めた。
木田さんのこの文章にこそ「心を大きく心まれた」私は、『クロスアンドクライム(葉月京・秋田書店)』(以下『クロクラ』)を読む決心をしました。
うえのあらすじを読む限り、『クロクラ』はかなり荒唐無稽なプロットのトンデモ展開な漫画のようです。最近ストレスが多いので、ぶっ飛んだハナシを読んで解消したかったのです。
ほら、荒唐無稽なハナシって、吉本新喜劇みたいで面白いじゃないですか。
私は「美味しい……」というありえないセリフを読んで大爆笑しようと思い『クロクラ』を読み進めました。しかし読めども読めどもそのセリフは出てこない。
最終巻まで読んでも、結局「美味しい……」は出てこなかった。けれど、その時点ではもうそんなこと、そんなこと!どうでもいい!という気持ちになっており、『この漫画の無茶なストーリー展開を笑ってやろう」なんていう意地悪い気持ちも消えていました。
素直に『クロスアンドクライム』を読んで感動していたのです。
しかし同時に私は激しく動揺もしていました。
なぜ動揺したかについてはまた今度。